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日本発、世界初の電子部品がもたらす、産業機器の劇的な進化に期待高まる

2019年04月14日

ロームが開発した、世界初の1700V SiC MOS 内蔵AC/...

 電子部品大手のロームが4月12日に発表した製品が、業界で大きな注目を集めている。その理由は、同社が今回発表したそのIC「BM2SCQ12xT-LBZ」が、世界で初めて1700V耐圧のSiC MOSFETを内蔵したAC/DCコンバータICだからだ。このICを導入することで、とくに大電力を扱う汎用インバータやACサーボ、産業用エアコン、街灯など、交流400Vを扱う産業機器の補機電源において、劇的な小型化と高信頼化、省電力化が期待できるという。

 現在、産業機器に用いられているパワー半導体の多くは Si パワー半導体(IGBT、MOSFET)だ。しかし、近年高まっている省エネ意識や、高機能化に向けた大電力対応、小型化の需要に対して、Si製はすでに性能改善の限界が噂されている。そこで、IGBTや耐圧の低いSi MOSFET に代わる次世代パワー半導体として、SiC(シリコンカーバイド)製品への期待が高まっている。絶縁破壊電界強度がSiの10倍、バンドギャップがSiの3倍と優れたポテンシャルを持つSiC製品を採用すれば、高電圧にも対応し、飛躍的な省電力化や小型化も図れる。ところが、良いこと尽くめのはずのSiCが未だ爆発的に普及しきれておらず、相変わらず多くのSi製品が使用され続けている背景には、 SiCが抱える大きな課題があった。

 その課題の1つが、周辺部品の調整だ。例えば産業機器にはメインの電源回路に加えて各種制御システムに電源電圧を供給する補機電源が内蔵されている。そしてそこでは、耐圧の低い Si MOSFETや損失の大きいIGBTが広く採用されており省電力化の要求があるものの、高効率で損失を最小限にできるSiCに置き換える際には、制御用ICや抵抗器などその周辺部品も含めて設計・開発・評価を行って最適化しなければその性能をうまく引き出せないのだ。このことが、 SiC普及促進の大きな枷となっていた。

 ロームが今回開発した1700V SiC MOS 内蔵AC/DC コンバータICは、その省エネ性能もさることながら、産業機器の補機電源用に最適化された制御回路とSiC MOSFETの1パッケージ化により、一般的な Si MOSFETを採用したディスクリート部品構成と比較して、最大で12製品(AC/DCコンバータ制御IC、800V 耐圧 Si MOSFET ×2、ツェナーダイオード×3、抵抗器 ×6) と放熱板を1 製品にできるという、劇的な部品点数の削減を実現したことが大きな魅力だ。これによって、部品故障リスクの低減、開発工数削減など、これまでの SiC採用にあたってネックとなっていたものも取り払われることが期待できる。もちろん、 Si MOSFET搭載製品に比べて、最大5%の電力高効率化、電力損失では28%もの削減が図れるので、産業機器の大幅な省電力化が見込めることは言うまでもない。

 SiC 製品は「省エネの切り札」といわれており,電力会社をはじめ、自動車メーカー、電機メーカーなど、様々な分野において注目され、採用が進んでいる。当然、この次世代パワー半導体の波は日本国内だけではなく、世界の市場においても同じだ。同製品は、4月17日から19 日までの期間に幕張メッセで開催される「TECHNO-FRONTIER 2019」にて展示される予定だが、世界初のこの技術がどれだけ大きな反響を呼ぶのか、大いに期待したいところだ。(編集担当:藤原伊織)

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