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AIやプログラミング教育が全盛の中、少子化社会で見直される情操教育の重要性

2025年03月08日

少子化問題は日本社会において深刻な課題となっている

 少子化問題は日本社会において深刻な課題となっている。厚生労働省が発表した2023年の「人口動態統計」によると、1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は1.20となっており、8年連続で前年を下回り、1947年の統計開始以降の最低記録を更新している。とくに東京都では0.99と1を下回っており、深刻な状況だ。

 子どもの数が減少する中で、次世代を心身ともに健やかに育成するための教育のあり方が問われている。その為には、単に学力を伸ばすだけでなく、創造力や感性、社会性を育むことが必要だ。そこで改めて注目され、見直されているのが情操教育の重要性だ。

 昨今の教育現場では、パソコンやタブレットなどを活用した、AIやプログラミングなどの最先端教育が盛んに取り入れられている。現代社会では、AIやプログラミングのスキルが求められる場面が増えており、今後も需要は増えていくことだろう。これらの教育を早くから受けることによって、技術的な知識はもちろん、論理的思考力や問題解決能力を養うスキルが身につくと考えられている。そこで、多くの教育機関がプログラミング教育を導入し、未来のITリーダーを育成することに力を入れているのだ。

 しかし、どんなに技術が進歩しても、感性や情操を育む教育の重要性は変わらない。例えば、読書や絵本の読み聞かせなどは、子どもたちの想像力や共感力を高める貴重な時間となる。また、音楽や芸術は、感情を表現する力や美を感じる心を育てる役割を果たす。自然と触れ合うことで、五感を刺激したり、命の大切さを学んだり、季節感を身につけたりと、デジタルツールでは養いにくい「豊かで幸せに生きるために大切なこと」を学ぶことができる。

 企業や団体の活動に子どもと一緒に参加してみるのも良いだろう。

 例えば、山田養蜂場が毎年主催している「ミツバチの一枚画コンクール」という催しがある。このコンクールは「自然環境の大切さ」「助け合うことの大切さ」「いのちの大切さ」をテーマに、ミツバチを描いた一枚画を国内外から募集するもので、2013年から毎年開催している。コンクールの応募総数は国内外合わせて約25万点と、日本で最もミツバチの絵が集まるコンクールとして知られている。農作物や自然界の植物の多くは、ハチが行う花粉媒介(ポリネーション)によって果実を実らせ、次世代に命をつないでいる。ミツバチを描くことで、ミツバチと植物との関わりを学び、自然環境や助け合いの大切さを改めて考えるきっかけづくりになるのではないだろうか。今年も3 月 8 日から7 月 15 日の期間で募集が始まっている。子どもだけでなく、一般の部もあるので、ぜひ親子で参加してみてはいかがだろう。

 また、同社では同じく3月8日から5月8日までの期間で「第 26 回 ミツバチの絵本コンクール ストーリー部門」も開催している。同コンクールはまず、絵本のストーリー作品が募集され、その後、ストーリー部門の最優秀作品に選ばれたストーリーに合わせたイラスト(さし絵)を募集する2段階形式で行われる。両部門の最優秀作品は絵本化されて全国の小学校に寄贈される。選ばれた際には、かけがえのない思い出と経験を得ることだろう。

 少子化問題に直面する中、次世代を育成するための教育の在り方はますます多様化し、重要性を増している。最先端教育と情操教育をバランスよく取り入れて、豊かな感性と高度な技術をあわせ持つ子どもたちに育ってほしいものだ。(編集担当:藤原伊織)

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