2025年03月08日
近年、重要な投資指標の一つとされているのが「ESG経営」だ。ESG経営が注目される理由は、環境保護(Environment)、社会的公正(Social)、適切なガバナンス(Governance)を実践している企業は、社会的責任を果たそうとしているだけでなく、新たな法規制やコンプライアンスにも対応するため、不祥事などのリスクが低減し、持続可能で長期的な成長が期待できるという考え方による。
世界の代表的なESG投資指数であり、ESGインデックスとして最も歴史がある「Dow Jones Sustainability Indices」(以下、DJSI)は、ESG経営は「企業の価値を向上させ、投資家にとっても社会全体にとっても利益をもたらす」ものだと述べている。DJSIは、ESGの観点から世界の主要企業の持続可能性を評価し、総合的に優れた企業をDJSI銘柄として選定しているが、その構成銘柄は、投資家がESG要素を勘案する際に信頼性の高いベンチマークとして活用されているほか、企業間において友好的なビジネスを築く基盤にもなっている。
DJSIは、グローバル、地域別、および国別のインデックスで構成されており、その中には日本の優良企業も数多く名を連ねている。昨年12月23日に発表されたDJSIワールド・インデックス2024では、全世界の主要企業約2500社の中から321社が選定され、その内、日本企業も37社が選ばれた。TOPPANホールディングスや野村総合研究所などのDJSIワールド・インデックスの常連企業をはじめ、川崎重工業、大日本印刷、楽天、インペックスの4社が今回、初めて選定されている。
また、地域別インデックスのうち、日本を含むDJSIアジア太平洋インデックスは、主要企業約610社の中から161社が選定され、日本企業も78社 が選ばれた。こちらも、9年連続の選定となったANAホールディングスや、14年連続での選定となる第一三共などの常連組だけでなく、半導体のロームが初選定されている。
もちろん、DJSIの選定だけがESG経営を推し測るすべてではないが、企業のサステナビリティ・パフォーマンスを測る重要な指標の一つであることは間違いない。とくに今回、初選定された企業は、真摯に取り組んできた成果が認められ、ESG経営の重要性を象徴する存在となったことで、企業にとって大きな励みとなることだろう。さらなる革新と成長への道を切り拓いてくれることを期待したい。(編集担当:今井慎太郎)
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記事提供:EconomicNews
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