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景気回復でも「生活苦」の声。実質賃金4年連続減少で実感とのズレ

2026年03月18日

企業は過去最高益も家計は苦境。実質賃金1.3%減、...

今回のニュースのポイント

・「企業は潤い、家計は削られる」構図: 上場企業の純利益は、円安やコスト転嫁を背景に過去最高水準にあるとの分析が相次いでいます。一方、物価上昇を加味した実質賃金は2025年まで4年連続のマイナスとなり、2025年通年では前年比1.3%の減少を記録。名目賃金の伸びがインフレに追いつかず、生活水準の低下を招いています。

・構造的な「二極化」の進行: デジタルや輸出製造業など成長分野で賃上げが進む一方、内需依存の中小企業やサービス業では価格転嫁が難しく、賃上げ余力が乏しい状況です。全労働者の約37%を占める非正規雇用の存在も、成長の果実を遮る要因となっています。

・家計の心理的打撃は高水準に: 日銀の世論調査では、物価高による暮らし向きの悪化を感じる人の割合が、リーマンショック前後の水準に匹敵する高まりを見せています。将来不安から、統計上の「回復」が報じられても前向きな消費に踏み出しにくい環境が続いています。

 「景気は緩やかに回復している」。政府や日銀が繰り返すこの言葉と、日々の買い物で感じる「支払いの重み」との間には、埋めがたい溝が横たわっています。2025年まで4年連続で前年を下回った実質賃金という明確な数字が、私たちの「実感なき回復」の正体を物語っています。

 企業側に目を向ければ、円安や海外需要の取り込み、価格転嫁の進展によって、上場企業の純利益は過去最高水準を推移しています。しかし、その利益が家計へと十分に行き渡っているとは言い難いのが現状です。2025年の実質賃金は前年比1.3%の減少。名目上の給与が増えていても、それを上回るスピードで物価が上昇した結果、個人の購買力は低下が続いてきました。

 この「ズレ」をさらに深刻にしているのが、産業界の二極化です。例えば、半導体やITなどの成長分野、あるいは海外展開する大手製造業では5%前後の大幅な賃上げが実現している一方で、日本経済の基盤である中小企業や内需型サービス業では、原材料高を価格に転嫁しきれず、賃上げ原資を確保できないケースが目立ちます。また、労働者の約37%を占める非正規雇用の賃金水準が依然として低く据え置かれていることも、景気回復の恩恵を限定的なものにしています。

 社会的な影響も無視できません。日銀の世論調査では、暮らし向きが「悪くなった」と答える人の割合が、リーマンショック前後の水準に匹敵する高まりを見せています。実質的な所得の目減りと将来への不安は、結婚や出産、住宅購入といった大きなライフイベントを抑制する要因となっており、消費全体を冷え込ませる背景となっています。

 2026年には物価上昇率の鈍化などを背景に、実質賃金がプラス圏に浮上するとの見通しも一部で示されています。しかし、回復実感を広く浸透させるには、単なる数字上のプラスだけでは不十分です。中小企業や非正規雇用への賃上げ波及、そして社会保険料負担を含めた「可処分所得」が目に見えて増えるかどうかが今後の焦点となります。統計上の「回復」が、本当の意味で私たちの「暮らしの安心」へと変わるための正念場が続いています。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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記事提供:EconomicNews

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