2026年05月15日
今回のニュースのポイント
三菱UFJFGの2026年3月期純利益は30.3%増の2兆4272億円でした。円金利上昇や利ざや改善、国内外の手数料収入、Morgan Stanleyの持分法利益が寄与しました。一方で与信費用は増加しており、金利上昇局面での収益拡大とリスク管理の両立が焦点になります。
本文
日本最大の金融グループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が15日に発表した2026年3月期連結決算は、収益力を示す経常利益が前期比27.7%増の3兆4101億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同30.3%増の2兆4272億円と、過去最高水準の大幅な増益を記録しました。経常収益は14兆6208億円(7.3%増)に達し、連結業務粗利益も5兆9444億円へと拡大。日銀によるマイナス金利解除後の「金利ある世界」への移行を背景に、国内の資金利益が底上げされたほか、グローバルな多角化経営が結実した形です。
増益の最大の牽引役となったのは、円金利上昇や利ざや改善を背景とする資金利益の拡大です。長らく続いた低金利環境が終わり、貸出利ざやが改善したことが収益を押し上げたほか、前年に実施した低利回りの債券ポートフォリオ組み替えの反動改善も収益押し上げに寄与しました。金利環境の変化を的確に捉えた資産負債管理(ALM)により、資金運用収益が堅調に推移しています。
また、非金利ビジネスの強さも際立っています。コンサルティングや資産運用、決済関連などの「役務取引等利益」は2兆2268億円に拡大。国内外での手数料収入が堅調に推移し、グループの総合力が収益を支えています。さらに、持分法適用関連会社である米Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)の業績好調が持分法投資損益を押し上げ、同損益は8455億円に増加しました。同社との提携による海外収益基盤が、市場変動の大きい環境下でもグループ全体の収益を下支えしています。
一方で、コスト面では成長投資に伴う経費増が見られます。一般・管理費などの営業費は、インフレ影響や海外での買収、成長分野への投資により3兆5672億円へ増加しました。本業の収益力を示す連結業務純益は2兆3772億円に増加したものの、与信関係費用は3558億円の費用計上となりました。これは、前年に発生した海外大口先の引当金戻入の反動が主因ですが、金利上昇局面における企業の支払利息負担増や、世界経済・地政学リスクを含むマクロ環境の不透明感を踏まえ、厳格なリスク管理が求められる局面に入っています。
貸借対照表(B/S)を概観すると、総資産は431兆7315億円へとさらに拡大しました。貸出金は133兆7994億円、預金は239兆4392億円へとそれぞれ増加しており、大規模なバランスシートを活かした運用力が収益の源泉となっています。また、資本効率の指標であるROE(自己資本利益率)は11.3%へ上昇し、純資産も23兆7441億円へ増加。連結貸借対照表ベースの自己資本比率は5.2%となりました。
株主還元についても、過去最高水準の利益を背景に積極的な姿勢を維持しています。年間配当は86円とし、2027年3月期の次期配当は96円を予想しています。累進的な配当方針を掲げる中で、自社株買いも含めた総還元性向の維持・強化が進んでいます。次期(2027年3月期)の純利益目標は2兆7000億円と、さらなる高みを目指す計画です。
三菱UFJFGをはじめとするメガバンクは今、国内金利の正常化という歴史的な追い風を享受しています。しかし、今後は預金金利の上昇に伴う調達コストの管理や、金利上昇による貸出先の信用リスク増大が、よりシビアに問われることになります。国内の利ざや改善に加え、アジア・米国の成長を取り込む海外戦略、そして資産運用や証券・信託を融合させた「総合金融モデル」の収益力をいかに持続させるか。MUFGの真価は、金利ある世界での持続的な資本効率の向上にかかっています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)
みずほFG決算、純利益1.24兆円 金利上昇と非金利収益が支え
スバル決算、米関税とEV費用で大幅減益 北米依存の再点検が焦点
記事提供:EconomicNews
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