2009年06月10日
ストラテジストやアナリストの相場予想は、驚くほど外れる。経済指標やデータを見ている“だけ”だからなのかは知らないが、「逆を行くと正解」と言ってもいいほどだ。
その点、マスコミの人間は、データをあまり読まない。指標の分析はプロに任せておいて、その分析結果だけを参考にすればいいからだ。
読むのは「空気」。結局、相場は需給で決まるのだから、空気の変化だけを見ていればいいのだ。(予測が当たらないのはプロと同じなのだが)。
というわけで、少し自虐的ながら、相場の空気を読んだ当面の予測をしてみたい。もちろん、参考にする、しないは読者の自由として・・・。
相場はこのまま上昇を続けるのか?それともピークアウトするのか?ここしばらく、市場関係者の話題はこの一点に絞られていた。
5月半ばまでは、日経平均が8500円以上、9000円付近では、PERの異常値やGM処理を目前にしていることなどを理由に、「いつ弱気転換してもおかしくない」という説が主流だった。どのストラテジーを見ても、専門紙を見ても、同じ論調だった。
その後、高値を更新するたびに、「今日こそピークだ」という見方が繰り返された。「反動高に浮かれるな」「低位株相場はすぐに逃げろ」など、高値警戒感を訴えた声が続出したのも、この頃だ。
しかし9500円付近に至ると、「景気好転を先読みした」などと調子のいい言葉が聞こえだした。まったく、相場関係者は勝手なものだ。
そして現在は、1万円台乗せが現実となりつつあり、弱気の論調を「保険として」残しながら、その瞬間を「日本株復活!」として大きく報じようとする一般紙・専門誌・アナリスト・評論家が待ち構えている段階だ。
空気から相場を読む場合、原則は「(強気・弱気)一辺倒になってきた瞬間がピーク」ということ。この原則から言えば、上昇への不信感が消えていない→まだ上昇が続くということになる。
おそらく、日経平均が1万円に乗せると、弱気派がきびすを返したように「思ったより相場は強い」「株価は今後の景気回復を織り込み出した」などと言いはじめるだろう。そして、瞬間が、今回の上昇のピークとなる。
ここから先は心理学の世界だが、おそらく、それは日経平均で1万300円~500円あたりか。
いずれにしても、実体経済はいつまでも株価が上昇し続けるほど、強くはない。原油高という新たな懸念材料も、ボディーブローのように徐々に企業の業績を侵食してくるはずだ。
ただし、再び8000円を割れるような事態はないと確信している。90年代や03年春の局面を見てきた経験から言えば、当時ほど日本市場は弱くない。もともと、昨年秋の下げが異常事態、完全なオーバーシュートだったのだから・・・。
木暮隆文<TOKYO株ニュース>
記事提供:とれまがニュース
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