2025年05月03日
日本は世界一の長寿国であり、高齢化率も高い国だ。長寿は喜ばしいことだが、それも健康が伴ってこその話。長生きしても健康でなければ幸せな晩年とはいえなくなってしまう。とくに認知症を患ってしまうと、自分ばかりか家族にも負担を掛けてしまうかもしれない。
厚生労働省の調べによると、2022年の時点で、65歳以上の高齢者のうち、認知症患者は約443万人、有病率は12.3%で、高齢者の約8人に1人が認知症を患っているという。また、このまま2060年になると認知症患者は645万人にまで増加すると予測している。若い世代の人にとっても決して他人事ではない。さらに近年は若年性認知症も増加傾向にあるので注意が必要だ。
認知症の予防としては、栄養バランスの整った食事、適度な運動、質の良い十分な睡眠などの生活習慣の改善に加え、日々の知的活動や積極的な社会参加が重要だといわれている。
認知症のメカニズムは徐々に解明されつつあるものの、それを完治させる特効薬は未だ存在していない。現在の医療では、症状を緩和したり、病気の進行を遅らせたりするための薬が処方される程度に留まっている。
そんな中、自然由来のあるものが認知機能の改善に役立つかもしれないという、大変興味深い研究報告が発表された。その「あるもの」とは、ミツバチが植物の樹脂や樹液などを集めて作る天然の防御物質「プロポリス」だ。
プロポリスはポプラやオオバギなどが起源植物(プロポリスの材料)となっており、黄色~赤色、茶色などの色をしているが、ブラジルの一部地域で採取されるプロポリスは、多種多様な健康成分を含むバッカリス・ドゥラクンクリフォリアを起源植物とし、独特の濃い緑色が特徴で、それゆえにグリーンプロポリスと呼ばれている。ビタミン・ミネラルなどの栄養成分やフラボノイド、アルテピリン Cや p-クマル酸、ドルパニンなどの桂皮酸誘導体が含まれており、これまでの研究で、他のプロポリスと同様の抗菌・抗酸化作用はもちろん、体脂肪の減少、インスリン抵抗性の改善に加え、認知機能の改善作用の機能性が報告されており、世界的にも注目が高まっている健康素材だ。
株式会社山田養蜂場の自社研究所である山田養蜂場 健康科学研究所と岡山理科大学獣医学部 畑明寿教授らとの共同研究によって、ブラジル産グリーンプロポリス(以下BGP)を摂取すると、その特長成分であるアルテピリンCが脳へ分布されることが明らかになったという。
アルテピリンCは、神経細胞同士の情報伝達を行うために重要な役割を果たす神経突起の形成や修復を促す作用、白色脂肪細胞からベージュ脂肪細胞への誘導作用などが明らかにされているが、その力を発揮するためには、経口で摂取した後、体内に吸収、代謝され、それぞれの組織に運ばれる必要がある。ところが、これまでアルテピリン C の組織分布、特に脳への分布を調査した報告はほとんど無かった。そこでこの研究では、健康なモデルに BGP を摂取させた際のアルテピリン C の組織分布を調査したところ、通常食を摂取させた群と比較して、脳におけるアルテピリンC量が有意に高く検出されたという。また、脳の他にも、血液、肝臓、筋肉、腎臓、肝臓、脾臓、脂肪、腸で高いアルテピリンC量が検出されたことから、BGP の各組織における既報の機能性に、特長成分アルテピリン C が関与している可能性が示唆された。
ちなみに山田養蜂場では、カリフォルニア大学で教授を務める医学博士で、認知機能研究の世界的な権威であるデール・ブレデセン博士の監修のもと、プロポリスエキスを機能性関与成分とする日本初の機能性表示食品「ノンアルツBee」を共同開発して販売しているが、今回の研究は博士と同社が主張するプロポリスの有用性を裏打ちするものとなりそうだ。
薬ではないので、飲み始めてすぐに効果が現れるというものではないが、早くからBGPを服用することで、認知症や生活習慣病のリスクを低減することも期待できそうだ。また今後、BGPの特長成分が脳にもたらす有用性の研究にも大いに役立つことだろう。(編集担当:藤原伊織)
記事提供:EconomicNews
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