2026年02月27日
2026年2月27日(19:20現在)の外国為替市場で、円相場は1ドル=156円前後と、円安・ドル高水準での膠着状態となっています。米国のインフレ高止まりを背景に、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ開始時期が後ずれするとの観測が強まっており、日米金利差の縮小が進まない現状が円売りに拍車をかけています。
こうした中、市場の焦点は3月中旬に回答集中日を迎える「2026年春闘」の結果、とりわけ日本経済の雇用の大半を担う中小企業への波及度合いに移っています。
厚生労働省が公表した最新の「賃上げ動向調査」によると、中小企業における賃上げ波及率は38.2%となり、前年比で5.3ポイントの改善が見られました。しかし、この数字の裏側では、企業規模や業種による「格差」が鮮明になっています。
具体的には、物流や建設、製造業の中小現場において、燃料費や電気代といったエネルギー価格の上昇分は一部で価格転嫁が進み始めたものの、上昇する「人件費」を取引価格に反映できている企業は依然として限定的です。帝国データバンク等の民間調査でも、賃上げを実施する企業の多くが、収益改善を伴わない「防衛的賃上げ(人材流出を防ぐための無理な昇給)」を強いられている実態が浮き彫りになっています。
日本銀行の植田和男総裁が掲げる「賃金と物価の好循環」の確認において、この中小企業の改善傾向は、マイナス金利解除を含む政策修正に向けたポジティブな材料となります。しかし、十分な価格転嫁がなされないままの利上げは、借入金利の上昇を通じて中小企業の経営を直接的に圧迫するリスクを孕んでいます。
歴史的な5万8,000円台という株高が、大企業の好業績に支えられている一方で、実体経済の持続的な底上げには、中小企業が「コスト上昇分を適切に販売価格へ転嫁し、それを原資として賃上げを継続できる構造」への転換が不可欠です。週明け以降の市場は、春闘の先行回答に加え、こうした価格転嫁の進捗状況を示す経済指標を注視しながら、日銀による「3月利上げ」の可能性を慎重に見極める展開が続く見通しです。(編集担当:エコノミックニュース編集部)
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記事提供:EconomicNews
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