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株高の恩恵が届かない家計のリアル。実質所得との乖離という副作用

2026年03月05日

日経平均の「独り相場」に冷めた視線。生活実感を...

【今回のニュースのポイント】

・株価と景況感のミスマッチ:株価は史上最高値圏を推移する一方で、実質賃金の伸びは物価上昇に追いつかず、消費者のマインドは冷え込んでいます。

・資産効果の限定的な波及:NISAの普及で投資人口は増えたものの、依然として株価上昇の恩恵を享受できるのは余裕資金を持つ一部の層に限定されています。

・生活コストの増大という影:株高を支える円安が、皮肉にも輸入物価を押し上げ、投資をしていない層から実質的な購買力を奪うという逆転現象が起きています。

 日経平均株価が5万4,000円台という歴史的な高みに達し、経済紙の紙面には「新時代の幕開け」といった威勢の良い言葉が並んでいます。マクロ経済の数字上では、日本経済は長きにわたるデフレを脱却し、新たな成長局面に入ったかのように見えます。

 ですが、スーパーの店頭で値札を二度見し、購入を躊躇する生活現場で語られているのは、「株価がどれだけ上がろうとも、自分の財布の中身はちっとも豊かになっていない」という冷めた実感です。 この感覚のズレの正体は、企業の利益成長が「賃金」ではなく「内部留保」や「配当」に優先的に振り向けられている構造にあります。さらに追い打ちをかけるのが、株高の裏側で進む円安です。円安は企業の輸出収益を膨らませて株価を支えますが、同時に輸入エネルギーや食料品価格を押し上げ、投資をしていない層から実質的な購買力を奪い取る「逆の所得移転」を引き起こしています。

 この状況で得をするのは、海外資産や株式を大量に保有し、インフレを資産防衛の追い風にできる富裕層です。反対に、損を強いられるのは、全資産の多くを「現金・預金」で保有する高齢者層や、給与収入のみに依存する若年層です。株価が上がるほどに、持てる者と持たざる者の「富の溝」が深まるという皮肉な現実が進行しています。

 「株高=豊かな国」という物語は、その恩恵が広く社会に染み渡って初めて完成します。今の日本に求められているのは、数字上の景気回復を誇ることではなく、高騰する生活コストに対する防波堤をいかに築くかという、具体的な分配の議論です。生活者の冷めた視線が続く限り、現在の株高は砂上の楼閣のような危うさを孕み続けることになるでしょう。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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記事提供:EconomicNews

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