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ボーナス増でも「使わない」が正解?将来不安が招く「予防的貯蓄」の影

2026年03月06日

賃上げの果実はどこへ消えるのか。増えた手取りを...

【今回のニュースのポイント】

・「使う」より「備える」:一時的な一時金の増額よりも、将来の物価上昇や増税、医療費負担への不安が勝り、消費を抑制する行動が定着しています。

・予防的貯蓄の定義:将来の不確実なリスクに備え、現在の消費を削って蓄えること。これが経済全体の需要を冷やす要因となります。

・還流しないマネー:企業が賃上げしても、それが貯蓄に回るだけでは、内需主導の自律的な景気拡大には繋がりません。

 「ボーナスが増えた」という喜ばしいニュース。しかし、その使い道を聞けば「とりあえず貯金」という答えが圧倒的です。本来なら経済を活性化させるはずの賃上げの果実が、消費という市場の血流に乗ることなく、家計の口座という「ダム」に堰き止められています。

 ここで考えるべき違和感は、「インフレ(物価高)局面では、現金の価値が下がるため『今使う』のが合理的なはずなのに、なぜ日本人は貯蓄に走るのか」という点です。 理由は、将来に対する「底知れぬ不安」にあります。専門用語で言えば「予備的動機に基づく貯蓄」です。年金制度の持続性、増え続ける社会保険料、そしてさらなる物価高。これらへの対抗手段として、現在の消費を犠牲にしてでも現金を確保しようとする「生存本能」が、経済的合理性を上回っているのです。

 この行動で「損」を被るのは、消費の恩恵を受けられないサービス業や小売業、そして結果としてデフレ的な閉塞感から抜け出せない日本経済全体です。一方で、こうした「動かないマネー」の恩恵を受けているのは、安定的な預金残高を確保できる金融機関くらいのものでしょう。

 お金を回さないことが、巡り巡って自分の首を絞める――。この皮肉な循環を止めるには、小手先の「給付」ではなく、社会保障の抜本的な安心感の構築が不可欠です。「お金を使っても大丈夫だ」という確信こそが、最強の経済対策であることを、私たちは再認識する必要があります。(編集担当:エコノミックニュース編集部)

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