2009年06月02日
広告費の削減でマスコミ各社が苦しんでいる現象は最近始まったことではないが、その典型的なケースが日経新聞の記事下広告だ。
この前の日曜日(5月31日朝刊)を例に出すと、2・3面、最終面はおそらく長期契約で決まっている出版広告が入っていたが、それ以外は壊滅的な状況だった。
5面は日経の自社広告が、全3段(横をすべて使う文字組3段分のスペース)で入っていた。自社広告は、予定していた広告が入らなかった(=取れなかった)ことを意味する。
10面は全面が求人コーナーだが、上に自社製作のIR記事、下には自社WEB告知でスペースを埋めており、あまり目立たないが、求人の合間にも自社の告知が4件入っている。実質「ガラガラ」状態。
13・14・20・30面にも自社広告が入り、28面は自社製作の全面広告で「なんとか埋めた」格好だ。
「他の面は、広告が入っているのでは?」という人がいるかもしれないが、そのほとんどは通販の広告。
これまで、日経には金融商品か企業のIR広告が大部分で、通販の広告は非常に少なかった。しかも、通販広告の場合、大幅な値引きが行われていることが多い。おそらく、朝日、読売などとセットで、掲載面・掲載日を指定しない契約となっているのではないか。
ということは、広告料は大幅にディスカウントされている。おそらく、値引き幅は2割・3割引程度では済まないはずだ。
これらを見る限り、新聞や紙媒体の採算はかなり厳しい。まだしばらくは、この分野に絡む銘柄には近寄らない方がいいだろう。
ただし、こうした紙面、投資の上で参考にならないわけではない。この状況を”新たな流れ”の判断材料にすればいいのだ。
現在はまだ景気回復は見えてこないが、どこかで必ず景気は底を打つ。そのとき、日経のような媒体に最初に広告を登場させる分野が、次の相場を先導する可能性が高い。
少なくとも、IR広告などの場合、財務に余裕が出てこないと広告は打ちにくいため、日経にIR広告を新規で出し始めたら、企業として前向きに動き出せていることを意味する(一部、確信犯的な株価対策企業もあるので注意が必要だが)。
この欄を注視しているだけで、景気の流れが見えてくるかもしれない。記事だけでなく、広告欄も意外と重要な「投資判断」の材料になるので、気にしておいた方がいいだろう。
木暮隆文<TOKYO株ニュース>
記事提供:とれまがニュース
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